フレームシフト(突然)変異とは? - 塩基の欠損/挿入により正常なタンパク質が合成されなくなること

フレームシフト変異とは?

DNAからRNAに転写されるときに、塩基の欠損/挿入が起こり、3つ組の読み枠がずれたときに起こる突然変異のこと。

目的のタンパク質は合成されなくなってしまい、ほとんどの場合で機能を持たなくなってしまう。

フレームシフト変異とは?


フレームシフト変異の具体例

# フレームシフト変異(1塩基欠損)の具体例

以下のような塩基配列を考える。

DNA5'TACGGACTCCACTTCATT3'
mRNA AUGCCUCACGUGAAGUAA 
アミノ酸 MetProGluValLys終止

上記の赤文字のTが欠損した場合を考える。

DNA5'TACGGACCCACTTCATT3'
mRNA AUGCCUGGGUGAAGUAA 
アミノ酸 MetProGlu終止  

欠損が起きると、その後の塩基の読み取りもずれてしまうため、本来想定していないタンパク質ができることとなる。


# フレームシフト変異(1塩基挿入)の具体例

先程と同じ例を考える。

DNA5'TACGGACTCCACTTCATT3'
mRNA AUGCCUCACGUGAAGUAA 
アミノ酸 MetProGluValLys終止

赤文字の部位にAが挿入する場合を考える。

DNA5'TACGGACTCCACATTCATT3'
mRNA AUGCCUCACGUGUAAGUAA 
アミノ酸 MetProGluVal終止  

挿入が起きた場合も、その後の塩基の読み取りもずれてしまうため、本来想定していないタンパク質ができることとなる。


# その他変異のまとめ

変異の名前解説
フレームシフト変異DNAの読み枠がずれることによる変異。塩基の欠損/挿入によって起きる。
ナンセンス変異DNA1塩基が変異することによる変異。途中で転写が止まってしまう変異をナンセンス変異という。
ミスセンス変異DNA1塩基が変異することによる変異。翻訳の際のアミノ酸が変わる変異をミスセンス変異という。

参考・引用文献

特になし