系統樹の見方と見る際のポイント

はじめに

系統樹の書き方ページで作成した系統樹について見てみます。

今回は以下の10遺伝子を使用しました。

id日本語での説明Ref
dre:100000711ゼブラフィッシュ ニューログロビン(外群)Ref
gga:418056ニワトリ ミオグロビンRef
mmu:17189マウス ミオグロビンRef
hsa:4151ヒト ミオグロビンRef
gga:416652ニワトリ αグロビンRef
mmu:15122マウス αグロビンRef
hsa:3039ヒト αグロビンRef
gga:396485ニワトリ βグロビンRef]
mmu:15129マウス βグロビンRef
hsa:3043ヒト βグロビンRef]

そして、系統樹の書き方ページページでの最終出力は以下のようになりました。
(遺伝子IDは日本語名に書き換えています)

系統樹の見方

系統樹の見るべきポイントは、

①: 枝の長さが分岐後の時間経過の長さを表すこと

②: 枝の根の数字が枝の分岐の正しさを表すこと

の2点です。


①:枝の長さが分岐後の時間経過の長さを表す(系統樹のバーは時間経過の単位を表す)

αグロビンの3本の枝に着目します。

ニワトリだけ先に分岐しており、その後マウスとヒトが分岐しています。

常識的に考えても、ヒトとマウス(哺乳類)より哺乳類と鳥類の方が先に分岐していると考えられるため、妥当かと思います。

そして、左下のバーは、時間経過の単位(どのくらいの塩基やアミノ酸が置換されているか)を表します。

系統樹の見方 枝の長さと進化後の速度


②:枝の根の数字が枝の分岐の正しさを表す

各分岐の根には、数字が書いてあることがよくあります。

これは基本的には枝の分岐の正しさを表します。

系統樹の見方 枝の長さと進化後の速度

多くの場合、ブートストラップ法(一部のサンプルを除外して系統樹を描く)を行い、100回やったとしたら、何回その分岐になるか、という数字です。

一般的にはブートストラップの値は95%以上であれば信頼度が高いとみなされることが多いようです[1]。


引用文献

[1]: 微生物の系統樹,どう描くの?
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9110/9110_yomoyama.pdf