論文でよく使われるラテン語(et al. i.e. e.g.)の意味まとめ

はじめに

論文や外国人とのメールでよく使われるラテン語についてまとめてみました。


ラテン語と意味まとめ

略語正式な語意味(日本語)
et al.et alliiand others(その他)
i. e.id estthat is(すなわち)
e. g.exempli gratiafor example(例えば)
etc.et cetra.and so on(〜など)

et al. の意味と使用例

論文中に出てくる et al. は、他人の論文を引用する際に、著者が複数人いる場合、2人目以降のAuthorを省略して「et al.」と記載することが多いです。

例えば… マウスゲノム論文1においては、ヒトゲノム論文2を以下のように引用しています。

Venter, J. C. et al. The sequence of the human genome. Science 291, 1304–1351 (2001)

ですが、実際Pubmedでオーサーの数を確認すると…

et al. について(ヒトゲノム論文のオーサーリスト)

このように多大な数のオーサーがいるため、et al. と記載することで省略しています。


引用のフォーマットは雑誌社によって異なりますが、論文の著者が3人以上ならばet al. で略し、2人の場合は「1人目の著者 and 2人目の著者」とすることが多いのではないでしょうか。

なお、ラテン語は斜体にすることもありますが、近年の論文では斜体にしないことの方が増えてきています。


i. e. の意味と使用例

i. e. は「すなわち」という意味で使われます。例文を見てみると、

a clinical study that lacks a comparison (i.e., a control) group.

比較(すなわち、対照)集団を持たない臨床研究。

A group of foreigners arrived in Edo, i.e. Tokyo.

外国人の一団が江戸、つまり東京に到着した。

Weblioより引用)

イコール(=)くらいの意味で使われていることが多いようです。


e. g. の意味と使用例

e. g. は「例えば」という意味で使われます。例文を見てみると、

the presence of an extra chromosome, resulting in a total of three copies of that chromosome instead of the normal 2 copies (e.g., trisomy 21, or down syndrome).

染色体が1本過剰に存在することであり、その染色体は正常な2コピーではなく3コピーとなる(例、21トリソミー、ダウン症候群)。

a pancreatic cell that produces hormones (e.g., insulin and glucagon) that are secreted into the bloodstream.

血流に分泌されるホルモン(例、インスリンやグルカゴン)を産生する膵臓の細胞。

Weblioより引用)

for exampleと記載していますが、それよりsuch asに近い感じですね。


参考


  1. Waterston, R. H. et al. Initial sequencing and comparative analysis of the mouse genome. Nature 420, 520–562 (2002). doi: https://doi.org/10.1038/nature01262 

  2. Venter, J. C. et al. The sequence of the human genome. Science 291, 1304–1351 (2001). doi: https://doi.org/10.1038/nature01262